あれ?写真の色がくすんじゃったぞ!?
印刷物をデザインするときはCMYKというカラーモードを使います。
デジカメで撮影したままの写真データはRGBというカラーモードですので、CMYKに変換して使わなければなりません。
その際、写真の色がくすんでしまうっていうことありますよね。
なんでキレイだった写真をわざわざくすませてまでCMYKにしなければいけないのか、今回はそんなに答えていきましょう。
RGBとCMYK
そもそもですが、RGBとCMYKってなんなのでしょう。
アドビのIllustratorでは、カラーモードという項目で切り替えることができるので、色の仕様だということは想像できると思います。
正解は「光の三原色」と「色の三原色」の違いなんですけど、聞いたことあります?
どちらも3色の色を掛け合わせることで様々な色を表現できるのですが、表現方法が異なります。
ひとつずつみてみましょう。
RGBの表現方法
まずはRGBです。
上のイラストでイメージつくかわからないですけど、「光の三原色」といってR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の三色の光の組み合わせで色んな色を表現する方法です。
三色の頭文字を取って、RGBと呼ばれます。
原色ひとつの光の強さ(濃さ)は256段階設定でき、原色は3色ありますので256×3乗で、16,777,216色もの色を表現できます。すごいですね。
三色をMAXの強さで合わせると、一番明るい色である白になり、その逆で全く光を当てないと真っ暗の黒になります。
テレビで例えると、電源が入っていない状態が正に黒を表現した光が全く当たってない状態で、白っぽい絵を映しているときは、テレビの光を総動員して一番明るい白を表現しているってことです。分かりにくい例えでしたかね・・・。
CMYKの表現方法
お次はCMYKです。
上のイラストはインクを表現しているのですがわかりますかね。
RGBが「光の三原色」というのに対してこちらは「色の三原色」といってC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の三色のインクの組み合わせで色を表現しています。
こちらも三色の頭文字を取って、CMY、それに黒のインクKを合わせてCMYKと呼ばれます。
CMYKの「K」はBLACKのお尻の文字やKUROの頭文字である「K」と思われがちですが、正しくは「Key Plate(キー・プレート)」という画像の輪郭など細部を表現するために用いられた印刷板の頭文字からとられたそうです。
このCMYKはインクを混ぜて色を表現しますので、混ぜる色数が増えると色が濃くなり、CMYをMAXで混ぜ合わせると黒になります。
逆に何も色を乗せないと、白い紙そのままで白を表現できます。
RGBとは真逆の考え方ですね。
絵の具で色をつくる感覚をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。色を混ぜる程濁ってしまう特性があるため、鮮やかな色の表現が苦手です。
そのためRGBでは表現できてもCMYKでは表現できないといった色ができてしまいます。
印刷用途のデザインはCMYKに変換が必要
RGBとCMYKの違いを知ることで、タイトルの「なぜPCの色はRGBなのに印刷の色はCMYKにしなければいけないのか」が分かったのではないかと思います。
答えは、表現できる色の幅(色の数)が違うからで、発色がいいからといってRGBの色で作ったものを印刷すると、出来上がったものの色が全然違うものになってしまう恐れがあるからです。
パソコンで見た色と実際に印刷したものの色の違いをできるだけ少なくするように、グラフィクデザインをする際ソフトの設定でCMYKのカラーモードを使い、写真もCMYKに変換して使いましょう。
キレイな方が印象がいいからといってRGBで作ったものでクライアントに確認をとってしまうと、納品したものと色が違うとクレームになってしまいます。
せっかくデザインを気に入ってもらってもつまらないことでクレームになってしまったらもったいないです。リスクはなるべく避けましょう!
また、CMYKのみでは白の色の表現することはできません。
白以外のベースに白色を表現したい場合は、CMYKのインクとは別に、白のインクを使って表現する必要があります。
これは特色といって、特殊な印刷になります。印刷会社によっては対応できない場合もあるので注意が必要です。
まとめ
そんなこんなでRGBとCMYKの違い、印刷用途ではCMYKのカラーモードを使う理由が分かったかと思います。
RGBとCMYKの特徴を知ると、それぞれの色の調整方法が理解しやすくなります。※何色と何色を混ぜると何色になるとか
色は奥が深いです。気になったら色々調べてみると面白いですよ。
こういう本もおすすめです。
コメント