この記事では、Macは今でもウイルスに強いのか?を検証し、予防策とともに紹介します。
本来ウイルスとは、マルウェア(有害な悪意のあるソフトウェアの総称)に含まれる一部の要素なのですが、世間一般的に浸透している認識はウイルス=マルウェアです。この記事は、あくまでセキュリティーに詳しくない人に向けた記事ですので、わかりやすさを重視してマルウェアをウイルスと表記させていただいています。
「Macはウイルス対策をする必要がない」一昔前は、そんなふうに言われていました。いや、今でもそう思っている人、意外と多いのではないでしょうか。
Macが安全と言われる理由のひとつにシェア率があります。
パソコンの画面を思い出してみてと言われて思い浮かべる画面は、ほとんどの人がWindowsだと思います。
Windowsの他にもOSの種類はありますが、WindowsはOS全体に対して約90%のシェア率を誇っています。圧倒的ですね。一方、MacOSのシェア率は9%程度、この差は歴然です。
攻撃する立場から考えてみると、同じ労力をかけるのであれば、ターゲットは少ないより多い方が効果的です。
1人の前で話しをするなら、どんなに頑張っても1人にしか伝わらないですが、10人の前で話をしたら3人くらいには伝わるかもしれません。
と、なると後者を選びたくなるのは当然です。ちょっとの差ならともかく、10倍の違いがあるわけですし。
でもMacって知名度がある割にシェア率が低いと思いませんか?実はそこにもウイルスに強い一面が隠れています。
WindowsはNECや富士通など、いろんなメーカーが出しているパソコンに組み込まれていますが、MacOSはAppleが出しているパソコンにしか入っていません。Windowsのパソコンに後から入れようとしても入れることができません。
Appleが出しているMac(Macintosh)というパソコンにしか入っていないOSがMacOSなので、Windowsのように製造メーカー毎にオリジナル機能が搭載されていることもなくOSの管理がしやすいのです。
もちろんMacOS自体のセキュリティ対策もしっかりしています。ウイルスの監視から駆除まで、OSに組み込まれたシステムで対応しています。
Macを使っていると、頻繁にOSアップデートのお知らせ通知が届きませんか?これ、面倒だからといって無視している人もいますが、最新のウイルスに対応するためのプログラムを配布するお知らせなので、無視するべきではありません。
再起動が面倒だと思う気持ちはわかりますが、再起動をしている間にウイルスチェックと対処も行われています。安全のためと割り切ってコーヒーブレイクでもしましょう。
OSを常に最新の状態にしておくのが一番手軽で一番安く、一番効果的なセキュリティ対策なのですから。
Mac独自の強みで大きなものがもう一つあります。AppStoreです。Macはソフトを提供する場として、このAppStoreを設けています。
ここには便利ツールからゲームまで、様々なソフト(有料・無料)が登録されていて、購入し、ダウンロードすることで利用可能です。
同じようなものに、AndroidのGooglePlayStoreがあります。こちらも同じくソフトを提供する場なのですが、AppStoreとの違いは、ソフトを登録する際の審査です。
AppStoreでは、ソフトを登録する際に厳しい審査を受ける必要があります。対してGoogle Play Storeは審査なく登録することができます。←最近は審査されるようになったようです。
そう、ソフトを入手できる場所は、AppStoreだけではありません。提供者が独自のWebサイトで公開しているものもあり、そこからダウンロードすれば入手できます。
何が問題かというと、それらのソフトはAppStoreを通しているわけではないので無審査で公開されているんです。だからといってもちろん全てが危険なわけではないですが、安全である保証が何もないですよね。※AppStoreが100%信用できるかといえば微妙ですが。。。
最近のMacは、デフォルト設定だとAppStore以外から入手した(証明書がない)ソフトをインストールすることができなくなりました。もちろん設定を変えることでインストールできるようになるので、どうしても必要なソフトは自己責任で入れることができます。
Macは、審査したソフトのみをインストールできるようにしてウイルスの侵入を防いでいるんです。
ここまでで3点、ウイルスに対するMacの強みを挙げてみましたが、やはり安全なOSなんだと思いませんか?実際、Appleが推奨する使い方を守って使うのであれば、ウイルスに強いOSなんだと思います。
ですが、そんなに良い子ちゃんじゃいられないのが現実ってものなんです。
ブラウザはMac標準のSafariを使ったほうが安全なのかもしれないけど僕はChromeを使っていますし、ファイルの受け渡しにUSBメモリを使うこともあります。
ブラウザで検索しているときに意図せずちょっと怪しげなサイトに行ってしまうこともあるわけです。あ、もちろん意図せずにですよ。。。
ちなみにウイルスの主な感染経路は
ウイルスが仕込まれたソフトをインストールすることで感染。ネット上の怪しいサイトからダウンロードしたソフトや、海賊版のソフトなんかは危険度が高いです。特に海賊版は、それ自体が違法なので使わないようにしましょう。
ウイルスが仕込まれたメールの添付ファイルを開くことで感染。Appleやアマゾンを装ったスパムメールが流行っています。メールアドレスや本文の日本語に少しでも違和感を感じたらほぼダメなメールです。添付ファイルやURLはもちろんクリックしないようにしましょう。
ウイルスが仕込まれたWebサイトを閲覧・クリックすることで感染。怪しいサイトを見分けるのは難しいですが、少しでも違和感を感じたらクリックしないように注意しましょう。
保存されているデータにウイルスが仕込まれていて、開くことで感染。USBなどでのデータ渡しは、知人などの場合が多く油断しがちです。できることなら開く前にウイルスチェックをしましょう。
共有しているネットワーク内のファイルにウイルスが仕込まれていて、開くことで感染。最近は、カフェやファミレスなどでも無料Wi-Fiが使えます。誰が使っているか分からないネットワークです。無防備に飛び込まないよう気をつけましょう。
一例ではありますが、主にこういった経路でウイルス感染します。この5つの感染経路、共通点があるのですが何だかわかりますか?
答えは、ユーザーの行動が引き金になっているということです。
不可抗力な部分も確かにありますが、ユーザーの不注意なクリックや、怪しいかもしれないけと大丈夫でしょうという軽い気持ちの行動が感染に繋がってしまう場合がほとんどです。
これではいくらMacが安全な環境を作っていても、防ぎきれません。ユーザー自ら防護壁の扉を開けてしまっているのですから。
ウイルスに感染するとヤバいのはみんな知っていると思いますが、どうヤバいのかっていうのまでちゃんとわかっていますか?
ばく然とヤバいというだけの認識では、実感がわかないので軽く考えてしまいがちです。まずはどうヤバいのかを知って、ウイルスに対する心構えを改めましょう。
ここでは、代表的なヤバいやつをいくつか紹介していきます。
広告を表示させてクリックまたは悪意のあるソフトをダウンロードさせようとしたりします。ウイルス感染していると警告を出し、有料ソフトをインストールさせようとするものや、画面が広告で埋め尽くされるほど表示されたりするヤバいやつです。
安全なファイルやソフトに偽装しパソコンに侵入、攻撃者がパソコンに侵入する手助けをし、パスワードなど個人情報をかっさらうヤバいやつです。
パソコンの中にあるファイルを暗号化するなどしてユーザーがアクセスできない状態にし、復元したければと金銭を要求してくるものです。お金を払ったからといって復元される保証もなく、かなりヤバいやつです。
簡単に紹介しましたが、これだけでもヤバさはわかると思います。個人情報を悪用されたり必要なファイルをロックされてしまえば後からの対処は難しいです。
後からの対処が難しいのであれば、予防をしっかりするしかありません。
人の世界でも、インフルエンザやコロナウイルスなど、かかってしまえば重症化してしまうものに対しては、とにかく予防が重要になってきます。
では、効果的な予防策はあるのでしょうか?
「危険な行動をしない!」
当たり前なとですが、これに限ります。結論は本当にもう、これしかないんです。
それでもAppStore以外のソフトを使いたい、うっかりクリックしてしまうのが心配って思ってしまいますよね。
わかります。それなら、市販のウイルス対策ソフトに頼ってみるのというのも一つの手です。
ウイルス対策ソフトを入れれば100%守ってくれるというわけではないですが、うっかりキケンな行為をしないようにストップをかけてくれたり、万が一感染してしまった時にすばやく対処してくれる強い味方です。
感染確率を抑え、被害を軽くする。いわば予防接種のようなものといえます。Windowsにはほぼ必須なこのウイルス対策ソフト。Macではまだあまり浸透していません。どういったことをしてくれるソフトなのか、簡単に紹介します。
まずウイルス対策ソフトの基本的な機能は、ウイルスのスキャンと駆除です。当然ながらこれが一番重要な機能になります。
その他の機能は、ソフト(メーカー)によって異なりますが、ひとつの驚異に対して専門的にブロックする機能が主になります。
例えば、フィッシング詐欺をブロックする機能や不正な侵入をブロックする機能などです。他にもこんなものがあります。
スパイウェア対策機能
フィッシング詐欺対策機能
不正侵入対策機能
迷惑メール対策機能
有害サイトアクセス制限機能
Webカメラアクセス制限機能
ネットバンキング保護機能
パスワード管理機能
これらはあくまで一例で、どのソフトにもすべての機能が入っているわけではありません。特にMac版の場合はWindows版から機能が省かれている場合が多いです。
欲しい機能が入っていると思ったら、Windows版だけにしか入っていないということがありますので購入前によく確認しましょう。ほとんどのソフトに、体験版が用意されています。
使い勝手や、動作の重さは実際に使ってみないとわかりません。まずは体験版から使ってみるのをおすすめします。
Mac版はWindows版に比べて機能が省かれているものがほとんどです。その中でも、割とMac版に力を入れていると僕が思ったソフトを紹介します。
いずれも無料体験版がありますので、気になるソフトがありましたら是非試してみてください。
個人的には、ノートン(Macだけなら)かカスペルスキー(WindowsやAndroidと一緒に使うなら)推しですが、欲しい機能は人によって違ってくると思います。まずはこの3つの中で気になったものを試してみてください。1カ月ほど無料で体験できるのでお得です。
Macはウイルスに強いのか?
結論!Macは決して弱いOSではないと思いますが、OSの力だけを過信すべきではありません。ウイルスを引き寄せるのは、ユーザーの行動にあります。
一番の予防策は自分自身の行動です。まずは「ウイルスなんて他人事だ」なんて思わないことからはじめましょう。
コメント